結論:衛生委員会は業種を問わず常時50人以上の労働者を使用する事業場で設置が必要です。安全委員会は、建設業・一部の製造業・道路貨物運送業などは常時50人以上、それ以外の一定業種は常時100人以上で設置が必要です。両方が必要な事業場は、まとめて「安全衛生委員会」とすることができます。設置後は毎月1回以上の開催と、記録の3年間保存が義務です。
設置義務の早見表(事業場単位・常時使用する労働者数)
| 委員会 | 対象となる事業場 | 根拠 |
|---|---|---|
| 衛生委員会 | 業種を問わず50人以上 | 安衛法18条・施行令9条 |
| 安全委員会(50人以上) | 林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業・港湾運送業、自動車整備業、機械修理業、清掃業 | 安衛法17条・施行令8条1号 |
| 安全委員会(100人以上) | 上記以外の運送業、上記以外の製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業 | 安衛法17条・施行令8条2号 |
| 安全衛生委員会 | 安全委員会と衛生委員会の両方が必要な事業場は、両者に代えて設置できる | 安衛法19条 |
人数は会社全体ではなく事業場(支店・工場など)ごとに数えます。条文は e-Gov法令検索(労働安全衛生法施行令) で確認できます。
委員会制度の趣旨
労働災害の防止や労働者の健康保持増進のためには、現場の労働者の意見を反映させながら、労使が一体となって安全衛生対策を進めることが欠かせません。労働安全衛生法は、一定規模・業種の事業場に対し、安全委員会・衛生委員会の設置を義務づけ、調査審議の場を設けることを求めています。設置義務を怠った場合、同法第120条により50万円以下の罰金の対象となります。
3つの委員会の設置基準
- 安全委員会(法第17条)…林業・鉱業・建設業・道路貨物運送業・港湾運送業・清掃業や一定の製造業などで常時50人以上、その他の安全管理者選任業種で常時100人以上
- 衛生委員会(法第18条)…業種を問わず常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場
- 安全衛生委員会(法第19条)…安全委員会と衛生委員会の両方を設けるべき事業場は、両者を統合した安全衛生委員会として設置できる
安全委員会(法第17条)
安全委員会は、業種と規模に応じて設置が義務づけられます。林業、鉱業、建設業、清掃業、運送業のうち道路貨物運送業・港湾運送業、自動車整備業、機械修理業、製造業の一部(木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業)では常時50人以上、その他の安全管理者の選任を要する業種では常時100人以上の事業場が対象です。労働者の危険を防止するための基本対策、労働災害の原因および再発防止対策などを調査審議します。
衛生委員会(法第18条)
衛生委員会は、業種を問わず常時50人以上の労働者を使用する事業場すべてに設置義務があります。労働者の健康障害を防止するための基本対策、健康の保持増進を図るための基本対策、長時間労働による健康障害の防止やメンタルヘルス対策などを調査審議します。ストレスチェックの実施に関する事項も衛生委員会で審議する事項に含まれます。
委員の構成
委員会の委員は、次のように構成します。議長以外の委員の半数については、過半数労働組合(ない場合は労働者の過半数を代表する者)の推薦に基づき指名しなければならない点が重要です。
- 議長…総括安全衛生管理者、または事業の実施を統括管理する者もしくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名する者
- 安全管理者・衛生管理者(委員会の種類に応じて)
- 産業医(衛生委員会・安全衛生委員会)
- 安全・衛生に関し経験を有する労働者
議長を除く委員の半数は、労働者側の推薦に基づいて指名する必要があり、これにより労使双方の意見が反映される仕組みとなっています。
運営のルール
開催頻度
委員会は、毎月1回以上開催しなければなりません(労働安全衛生規則第23条第1項)。形式的な開催にとどまらず、実質的な調査審議が行われることが求められます。
議事の周知
事業者は、委員会開催の都度、遅滞なく、議事の概要を労働者に周知しなければなりません。掲示・備付け・書面交付・社内イントラネットへの掲載などの方法が認められています。
記録の作成・保存
委員会の開催の都度、委員会の意見と、それを踏まえて講じた措置の内容、そのほか議事で重要なものを記録し、これを3年間保存しなければなりません(労働安全衛生規則第23条第4項)。
調査審議すべき主な事項
- 労働者の危険・健康障害を防止するための基本となるべき対策
- 労働災害の原因および再発防止対策で安全・衛生に係るもの
- 長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止対策
- 労働者の精神的健康(メンタルヘルス)の保持増進対策
- ストレスチェックの実施方法・結果に基づく措置に関する事項
まとめ
安全衛生委員会は、設置するだけでなく、毎月の開催・議事の周知・記録の保存まで適切に運用してはじめて法的義務を果たしたことになります。形骸化を防ぎ、実効性のある安全衛生管理体制を築くことが、労働災害の予防と企業の安全配慮義務の履行につながります。
こんなときは、ご相談ください
- 事業場(支店・工場など)の労働者が50人に近づいてきた・超えた(衛生委員会・衛生管理者・産業医・ストレスチェックが一度に必要になります)
- 委員会は形だけで、議事録や労働者への周知ができていない
- 労働基準監督署の調査で、委員会の運営について指摘を受けた
当法人では、委員会の設置・委員構成の設計から、毎月の議題づくり、議事録の整備までお手伝いします。顧問契約を結ばずに、必要な業務だけをスポットでご依頼いただくことも可能です。お見積りと初回のご相談は無料です。