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月額変更届(随時改定)の実務ガイド

随時改定とは

随時改定とは、被保険者の固定的賃金に変動があった場合に、標準報酬月額を実態に合わせて見直す手続きです。健康保険法第43条および厚生年金保険法第23条に基づき、要件に該当する場合は速やかに「被保険者報酬月額変更届(月額変更届)」を年金事務所または健康保険組合に提出する必要があります。

毎年7月の定時決定(算定基礎届)とは別に、年度の途中で報酬に大きな変動があった場合の取り扱いとなります。

随時改定の3要件(すべてを満たす必要あり)

  • 固定的賃金の変動があったこと
  • 変動月以後継続した3ヶ月間に支給された報酬(残業代等含む)の平均月額に基づく標準報酬月額と、現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差があること
  • 3ヶ月とも支払基礎日数が17日以上(特定適用事業所の短時間労働者は11日以上)あること

固定的賃金とは

固定的賃金とは、支給額や支給率があらかじめ決まっている賃金を指します。

つまり、昇給・降給、家族手当の支給開始や打ち切り、住宅手当額の変更、通勤手当の変更(定期券代の変動含む)、給与体系の変更などが「固定的賃金の変動」に該当します。残業時間の増減のみでは随時改定の対象になりません。

等級判定の方法

固定的賃金が変動した月から3ヶ月間の報酬月額(残業代などの非固定的賃金も含む全額)の平均額を、保険者が定める「標準報酬月額等級表」と照合します。現在の標準報酬月額と比較して2等級以上の差が生じていれば、随時改定の対象となります。

具体例

昇給により4月から基本給が大幅に上がった場合:4月・5月・6月の報酬の平均額を算出し、現在の標準報酬月額と比較。2等級以上の差があれば、4ヶ月目(7月)から新しい標準報酬月額が適用されます。

提出方法と添付書類

提出時期

変動月以後継続した3ヶ月間の報酬の平均額を算出後、速やかに提出します。たとえば4月の固定的賃金変動の場合、6月分給与支給後に届出を行い、7月から新しい標準報酬月額が適用されます。

提出方法

提出時の注意点

  • 2等級以上の差があっても、固定的賃金の変動方向と異なる場合(例:固定給が上がったのに非固定的賃金が下がって全体では2等級以上下がった)は随時改定の対象外
  • 賞与の支給は固定的賃金の変動には該当しない
  • 遡及して支給された差額は、支給があった月の報酬として取り扱う
  • 育児休業等終了時改定・産前産後休業終了時改定は、随時改定とは別の手続き

まとめ

随時改定は、報酬実態と保険料負担を整合させるための重要な手続きです。届出が遅れたり漏れたりすると、本来納めるべき保険料との差額の遡及調整や、将来の年金給付への影響が生じる可能性があります。

当法人では、毎月の給与計算と連動した随時改定の判定から、届出書の作成・電子申請まで一貫して対応いたします。お気軽にご相談ください。

AUTHOR / 執筆・監修

社会保険労務士法人みらい

東京都社会保険労務士会 武蔵野支部所属。西東京市ひばりが丘を拠点に、労働・社会保険手続き、就業規則作成、給与計算、助成金申請、労務コンサルティングをワンストップで提供。みらいグループ(税理士法人みらいを中核とする専門家集団)と連携し、中小企業の人事労務をトータルサポートしています。

本記事は2026-04-20時点の法令・通達・施行規則に基づき作成しています。最新情報は厚生労働省、日本年金機構、ハローワーク等の公表資料をご確認ください。

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