賞与にも社会保険料がかかる
平成15年4月の総報酬制の導入以降、月々の給与だけでなく賞与(ボーナス)にも社会保険料が課されています。賞与から控除されるのは、健康保険料、介護保険料(40歳以上65歳未満)、厚生年金保険料です。賞与にかかる保険料は「標準賞与額」に保険料率を乗じて計算し、毎月の給与に対する保険料と合わせて、翌月末日までに納付します。
標準賞与額の決め方
- 標準賞与額は、実際に支払われた賞与額から1,000円未満を切り捨てた額
- 賞与には、年3回以下の支給回数で支払われる賞与・期末手当・寸志などが含まれる(年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象)
- 同じ月に2回以上支給されるときは、合算した額で標準賞与額を計算する
標準賞与額の上限
標準賞与額には、健康保険と厚生年金保険でそれぞれ異なる上限が設けられています。
- 健康保険・介護保険…年度(毎年4月1日〜翌年3月31日)の累計額で573万円が上限
- 厚生年金保険…1ヶ月(同月内の合算)あたり150万円が上限
健康保険は年度累計、厚生年金は1ヶ月単位と、基準が異なる点に注意が必要です。たとえば健康保険では、年度の累計が573万円を超えた部分には保険料がかかりません。
2025年度の保険料率
2025年度の保険料率は次のとおりです。
- 厚生年金保険…保険料率18.3%(労使折半のため、本人負担は9.15%)。平成29年9月以降、18.3%で固定されています
- 健康保険…加入する健康保険(協会けんぽは都道府県ごと、健康保険組合は組合ごと)により料率が異なります。協会けんぽの料率は概ね10%前後で、労使折半です
- 介護保険…40歳以上65歳未満の被保険者が対象。協会けんぽの2025年度の介護保険料率は全国一律1.59%で、労使折半です
具体的な健康保険料率は事業所が加入する保険者によって異なるため、最新の料額表で確認することが必要です。
計算の流れ
たとえば賞与の支給額が60万5,300円の場合、1,000円未満を切り捨てて標準賞与額は60万5,000円となります。これに各保険料率を乗じ、労使折半分を本人負担として控除します。
賞与支払届の提出
賞与を支給したときは、支給日から5日以内に「被保険者賞与支払届」を、事務センターまたは管轄の年金事務所(健康保険組合加入事業所は組合へも)へ提出する必要があります。日本年金機構に賞与支払予定月を登録している場合、支払予定月のおおむね1ヶ月前に届出用紙が送付されます。提出は電子申請(e-Gov、届書作成プログラム、GビズID)でも可能です。
提出時の注意点
- 産前産後休業・育児休業中で保険料が免除されている被保険者へ賞与を支給した場合も、賞与支払届の提出は必要(免除されるのは保険料であり、届出は省略できない)
- 育児休業等期間中の賞与の保険料免除は、令和4年10月以降、賞与月の末日を含む連続1ヶ月超の育児休業を取得した場合に限られる
- 退職月に支給した賞与は、資格喪失日(退職日の翌日)が属する月より前の支給であれば保険料の対象。喪失月の賞与は原則として対象外だが、健康保険の年度累計の対象には含める
まとめ
賞与の社会保険料は、標準賞与額の算定、上限の取り扱い、賞与支払届の期限など、月々の給与とは異なるルールが複数あります。届出漏れや上限の取り違えは、保険料の過不足や将来の年金額への影響につながりかねません。
当法人では、賞与の社会保険料計算から賞与支払届の作成・電子申請、育児休業中の保険料免除の判定まで一貫して対応いたします。お気軽にご相談ください。