育児休業給付金は、育児休業中の生活を支える雇用保険の給付です。2025年4月には出生後休業支援給付金が新設され、要件を満たせば手取りの10割相当が確保できるようになりました。この記事では支給額と手続きを整理します。
この記事の結論
- 給付率:休業開始から180日目まで67%、181日目以降は50%
- 新制度:2025年4月から出生後休業支援給付金(13%)が加わり、合計80%になる場合がある
- 手取り10割相当:育休中は社会保険料が免除され、給付金は非課税のため、80%で手取り10割相当になる
- 申請者:原則として事業主がハローワークへ申請する
支給の要件
育児休業給付金を受給するには、次の要件を満たす必要があります。
- 雇用保険の被保険者であること
- 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上(または就業時間80時間以上)の月が通算12か月以上あること
- 休業期間中の各1か月について、就業日数が10日以下(10日を超える場合は就業時間80時間以下)であること
- 休業開始前の賃金と比べて、支払われた賃金が80%未満であること
有期雇用の労働者も、これらの要件を満たせば対象となります。
支給額の計算
支給額は次の式で計算します。
育児休業給付金の計算式
- 休業開始から180日目まで:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
- 181日目以降:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%
休業開始時賃金日額は、原則として休業開始前6か月間の賃金総額を180で割った額です。賞与は含めません。
なお、給付には上限額と下限額が設けられており、毎年8月1日に改定されます。実際の金額は最新の資料をご確認ください。
2025年4月新設|出生後休業支援給付金
2025年4月から、出生後休業支援給付金が始まりました。育児休業給付金に上乗せして支給される制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 要件 | 子の出生後8週間の期間内に、原則として両親がともに14日以上の育児休業を取得すること |
| 支給日数 | 最大28日間 |
| 給付率 | 休業開始時賃金日額の13% |
| 合計 | 育児休業給付67% + 13% = 80% |
育児休業中は健康保険・厚生年金保険料が免除され、給付金は非課税です。これらを加味すると、80%の給付は休業前の手取りの10割相当になります。
配偶者が就業していない場合など、一定の事情があるときは片方の取得でも対象となる場合があります。要件の判定は個別性が高いため、事前の確認をおすすめします。
会社側の手続き
- 育児休業の申出を受ける:原則1か月前までの申出(産後パパ育休は2週間前まで)
- 受給資格確認と初回申請:「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」と「休業開始時賃金月額証明書」をハローワークへ提出します
- 2か月ごとに追加申請:以後は2か月に1回、支給申請を行います
- 社会保険料の免除手続き:「育児休業等取得者申出書」を年金事務所へ提出します
申請は原則として事業主が行います。手続きが遅れると従業員の入金が遅れ、トラブルの原因になります。
会社が整えておくべきこと
- 育児介護休業規程の整備:法改正に対応した内容に更新しておく
- 個別周知と意向確認:妊娠・出産の申出をした労働者に制度を個別に知らせ、取得意向を確認する義務があります
- 男性の取得を前提とした体制:出生後休業支援給付金は両親そろっての取得が原則要件です。男性が取得しやすい業務分担を整えることが、そのまま従業員の手取り確保につながります
- 助成金の活用:両立支援等助成金など、男性の育休取得を後押しする助成金があります
よくある質問(FAQ)
育児休業給付金に税金はかかりますか?
かかりません。育児休業給付金は非課税で、社会保険料も控除されません。さらに育児休業中は健康保険・厚生年金保険料が免除されます。
パートでも受給できますか?
雇用保険の被保険者であり、支給要件を満たせば受給できます。雇用形態ではなく、被保険者であるかと過去の被保険者期間で判断されます。
会社が申請を忘れていた場合はどうなりますか?
支給申請には期限があり、遅れると受給できなくなるおそれがあります。気づいた時点で速やかにハローワークへ相談してください。手続きの負担が大きい場合は、社労士への委託もご検討ください。
まとめ
育児休業給付は金額が大きく、手続きの期限も細かいため、担当者の負担が大きい業務です。当法人では、給付金の申請手続きの代行、育児介護休業規程の整備、男性育休を後押しする助成金の活用までご支援しています。「制度が変わって対応できているか不安」という場合は、ぜひ一度ご相談ください。