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社会保険の資格喪失手続き|5日以内の届出と保険料の控除ルール

退職時の社会保険手続きで最も間違いやすいのが「退職日によって保険料の控除が変わる」という点です。月末退職と月中退職では、最後の給与から引く保険料が1か月分違います。この記事で整理します。

この記事の結論

  • 提出期限:事実発生から5日以内に資格喪失届を提出
  • 資格喪失日:退職日の翌日(死亡の場合も翌日)
  • 保険料:資格喪失日の属する月の前月分まで徴収する
  • 結果:月末退職は2か月分、月中退職は1か月分の控除になるのが通常

資格喪失日は「退職日の翌日」

社会保険の資格喪失日は、退職した日の翌日です。退職日当日ではありません。

退職日資格喪失日
10月31日(月末)11月1日
10月30日(月中)10月31日
10月15日10月16日

この1日の差が、保険料の負担を1か月分変えます。

保険料の控除ルール

社会保険料は、資格喪失日の属する月の前月分まで徴収します。言い換えると、資格喪失日が属する月の保険料は発生しません。

10月退職の例(保険料が翌月給与から控除される会社の場合)

■ 10月31日退職(喪失日11月1日)
→ 10月分まで保険料が発生。最後の給与で9月分と10月分の2か月分を控除するのが通常

■ 10月30日退職(喪失日10月31日)
→ 9月分まで保険料が発生。最後の給与で控除するのは9月分の1か月分

月末退職にすると、会社も1か月分多く事業主負担を払うことになります。ただし、退職日を会社の都合で動かすことはできません。本人の希望や引継ぎの都合で決まるものです。

重要なのは、最後の給与で何か月分を控除するのかを本人に事前に説明しておくことです。説明がないと「引かれすぎている」という問い合わせにつながります。

提出書類と期限

  1. 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届:事実発生から5日以内に年金事務所(または健康保険組合)へ提出します
  2. 健康保険被保険者証:本人分と被扶養者分を回収して添付します
  3. 高齢受給者証・限度額適用認定証などの交付を受けている場合は、あわせて返却します

雇用保険については、被保険者資格喪失届を、被保険者でなくなった日の翌日から10日以内にハローワークへ提出します。離職票が必要な場合は離職証明書も同時に提出します。

関連記事:離職票の書き方/従業員を雇ったときの社会保険手続き

健康保険証が回収できない場合

実務でよくある困りごとです。退職者が保険証を返却しない、紛失した、というケースです。

なお、マイナンバーカードを健康保険証として利用している場合でも、資格喪失の手続き自体は必要です。

退職者に案内しておくこと

退職後の医療保険には3つの選択肢があります。会社が案内しておくと、問い合わせが減ります。

選択肢要点
健康保険の任意継続資格喪失日の前日までに継続して2か月以上の被保険者期間が必要。資格喪失日から20日以内に申請。保険料は全額自己負担
国民健康保険市区町村で手続き。前年の所得等で保険料が決まる
家族の被扶養者になる収入要件などの認定基準を満たす必要がある

任意継続の20日以内という期限は短く、過ぎると選択できません。退職時に必ず伝えてください。

国民年金への切替えも、退職日の翌日から14日以内に市区町村で手続きが必要です(60歳未満の場合)。

よくある質問(FAQ)

月末退職と月中退職、どちらが得ですか?

本人にとっては、月中退職なら最後の給与からの控除が1か月分で済みます。ただし資格喪失日からは国民健康保険等に加入し、その月の保険料が発生するため、総額が必ずしも有利とは限りません。会社が退職日を誘導することは適切ではなく、事実を説明するにとどめてください。

賞与を支払った月に退職した場合、賞与の社会保険料はどうなりますか?

資格喪失日の属する月に支払われた賞与には、社会保険料は発生しません。ただし賞与支払届の提出は必要です(年度の累計額の管理に用いるため)。

退職日を過ぎてから資格喪失届を出し忘れていました。

速やかに提出してください。遅れると、本人が国民健康保険等の手続きを進められず、受診時に自己負担が生じるなどの実害が出ます。保険料の精算も必要になります。

まとめ

退職時の社会保険手続きは、期限が5日と短く、保険料の控除で誤りが起きやすい業務です。説明不足は、そのまま退職者とのトラブルになります。当法人では、資格喪失届・離職証明書の作成と電子申請による提出代行、退職者への案内文の整備までご支援しています。手続きの負担や説明の手間を減らしたい場合はご相談ください。

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AUTHOR / 執筆・監修

社会保険労務士法人みらい

東京都社会保険労務士会 武蔵野支部所属。西東京市ひばりが丘を拠点に、労働・社会保険手続き、就業規則作成、給与計算、助成金申請、労務コンサルティングをワンストップで提供。みらいグループ(税理士法人みらいを中核とする専門家集団)と連携し、中小企業の人事労務をトータルサポートしています。

本記事は2026-10-23時点の法令・通達・施行規則に基づき作成しています。最新情報は厚生労働省、日本年金機構、ハローワーク等の公表資料をご確認ください。

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